「われら」は、いつかのわれら『われら』

少し前の近未来の小説やSFを読んでいると、時々現実世界とリンクすることがあって面白く感じることがある。
本書は近未来を描いたディストピア小説だが、究極の管理社会が舞台だ。このような世界で生きるのは御免だと思うか、管理されているから何も考えなくて良いからサイコーと思うかはその人次第だが、本書の超管理社会は、現実世界でも大いにリンクする所があるので、決して絵空事ではない。
「われら」が書かれたのは、ソ連が成立した頃だ。著者のザミャーチンが、どんな時代で書き上げ、人生が流転していったかを知るのも本書を楽しむ上では欠かせない。本書を買おうか迷ったら、ひとまず本書の訳者解説が詳しいので読んでみて下さい。

油井 亮太郎(版元営業)

本書は、光文社古典新訳文庫からも出ています。