わたしと内省『あなたと原爆 オーウェル評論集』

自らの信条を発言し、その実現のために行動する。言わなければ、動かなければ、確かに事態は変わらない。願う世界は現れない。しかし近年、その言動に覚える違和感。同意できぬものなら話は容易い。時に襲われる、同意できるにもかかわらず拒絶してしまう感覚。これは一体?。
半世紀以上前、その問いにオーウェルは答えてくれていた。自分が相対する存在と同じ言動をとる可能性を否定しない。それを自覚した上で、同じ言動をとらぬ術を探る。その根底を成すのは無自覚で先鋭的な二極化に陥らぬよう、自らを省みる視線。
心残りは一つ。自らを省みた上で扇動的な言動を意図して選択する人々の存在について、オーウェルの言葉を聞けないことだ。

鈴木 喜文(不忍ブックストリート)

自分よりも次の世代のために本を買うようになってきました。渡したい時に手に入らないのでは困るので(渡して「いらない」と言われる心配は別の話)。ある日本画家を調べ始めて三年ほど。そろそろアウトプット。