人体実験と書かれると戦時中の人権を無視したものをイメージされる方もいるでしょうが、この本でとりあげられているのは、科学者自らがその危険性を承知で、あるいは自らの仮説・発見は安全無害であることを信じ、もっとも優秀な被験者として自分の体を提供し観察した記録です。
意識を失い死の淵を何度もさまよいながらもあきらめることなく実験を繰り返す科学者たち。
その結果、数々の病気が悪霊の仕業から解放され、有効な治療法を確立していく。
後世に名を残さなかったマッドサイエンティストたちの奇妙な情熱の末の行為がこれでもかと紹介されています。
糸日谷 智(版元ドットコム)
ポット出版の仕事もしています。