暗い時代に光がさすような児童文学の名作『飛ぶ教室』

児童文学の名作といわれるこの作品は、ナチスが台頭する中、作者ケストナーが少年少女たちに送るエールだったのだろう。じわじわとファシズムが忍び寄る中、本当の勇気とは何かをテーマに強く生きることを伝えようとしている。それにしても、なんて瑞々しい作品なんだろう! 寄宿生活を送る少年たちひとりひとりが生き生きと描かれている。「人生に大切なのは、何を悲しんだのではなくて、どれほど深く悲しんだかということなのだ」という言葉が胸を打った。もうすでに読んだ人も多いだろうが、まるであの時代の悪夢が再現されているような今、反骨のドイツ文学者・池内紀の翻訳で読んでほしい!

吉上 恭太(サウダージな夜@古書ほうろう)

池之端に移転した古書ほうろうで二ヶ月に一回、ライブをやらせていただいています。「サウダージな夜」をよろしくお願いします。