この世のすべてがここに『バルザック ポケットマスターピース 03』

「次回のD坂はこれ!」と決めてました。第一に、博多かおるによる『ゴリオ爺さん』の新訳が鮮烈。19世紀前半のパリが、目の前に生々しく立ち現れます。第二に、ヴォートランがフィーチャーされた初めての文庫であること。「人間喜劇」に入り乱れる数多の人物中もっとも魅力的な男に、どうぞ魂抜かれてください。かつてミルチャ・エリアーデは何度目かのバルザック漬けの日々のなか、「もはや何も読むものがない。他には何も手がつかないし他の本を読むことも出来ない」と、うなされたように記しましたが、まさにそう。この一冊をきっかけに、「もうこうなったら全集も!」となりましたら、ぜひ古書ほうろうまで(笑)。

宮地 健太郎(古書ほうろう)

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