ぶっ壊された「言葉」を取り戻すために『紋切型社会』

未来の総理候補と目される小泉進次郎氏だが、環境大臣就任直後から、「おや?」と思わせる発言を繰り出している。「ポエム」と揶揄されたりしているが、詩とはほど遠い、空疎な言葉の羅列である。しかし、それは小泉氏に限ったことだろうか。職場で、あるいは友人たちとの間で交わされる言葉が、コミュ力とか言って実は紋切型の垂れ流し、やってる感を演じているだけ、ということはないだろうか。SNSで発せられる言葉はどうだろうか。それに違和感を覚えた人は、ぜひ本書を手にとっていただきたい。口下手でも、多少回りくどくても、言葉と真摯に向き合う努力をささやかでも積み重ねていきたい。「オリンピック」が席巻する2020年を前に。

藤平 歩(中央公論新社)

10月刊で、朝山実『お弔いの現場人―ルポ 葬儀の現場を見にいく』という本を担当しました。変わりゆく葬儀の最前線を、自らの実家を葬儀会館として貸し出している著者が取材、書き下ろした「渾身の」一冊です。