こわい、かわいい、面白い。進化した山椒魚の話『山椒魚戦争』

『山椒魚戦争』(カレル・チャペック岩波文庫/1080円 + 税

こわい、かわいい、面白い。進化した山椒魚の話

ちょっと変わった構成の本。主人公がきまった小説とは少し違う。いうなればドキュメンタリー風に物語がすすんでいく。読む人は俯瞰して、全体を眺めるような視点に立たされるのだ。様々なところ、別々の人たちとの間で、二本足で歩く山椒魚がだんだんと人類とかかわっていく。時系列で山椒魚と人類の関係が怪しくなっていく様を読むのはドキドキしてきます。この本が書かれた時代は第二次大戦前…ヒトラーとナチズムの台頭。チェコのジャーナリストでもあったカレル・チャペックは、この本を通して言いたいことがあったんです。SF好きにはSFの古典として、そうでない人は風刺小説としても〇。

矢島 健児/イラストレーター・往来堂書店スタッフ

矢島商会、という名前でイラストやマンガの制作もしています。http://yajima-syoukai.com/