たとえ完全なものでなくても、ないよりはマシ『進化とは何か』

『進化とは何か』(リチャード・ドーキンスハヤカワ文庫NF/860円 + 税

たとえ完全なものでなくても、ないよりはマシ

神による創造を信じる人は、例えば「眼」のような複雑・精巧な器官が単細胞の生物から進化するなどありえないという。そんな完璧主義者に対して、進化論者の考え方はこうだ。たとえ、ぼんやりと明るいか暗いかがわかるだけの「半分の眼」いや「わずかばかりの眼のようなもの」であっても、持っているほうが生き残るためには圧倒的に有利だ――たとえ完全なものでなくても、ないよりはマシ――この考え方になぜだか僕は希望を感じる。個人的には普段ほとんど使わない言葉だが「癒やし」と言ってもいいくらいだ。理想の完成形には程遠く、こんなことしていても無駄なのでは?といつも感じているからか。では仕組みを進化させて生き残ることで次世代に残す「遺伝子」は?考えて、この本をビジネス書に読み換えている人も多いかもしれないと思った。

笈入 建志/往来堂書店

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