へやのひめごと いと ねんごろに かたる 房中隠事 衾枕之愛極尽綢繆『和訳 聊斎志異』

『和訳 聊斎志異』(蒲 松齢 著 , 柴田 天馬 翻訳ちくま学芸文庫/1400円 + 税

 へやのひめごと いと ねんごろに かたる
 房中隠事 衾枕之愛極尽綢繆

 不遇な青年の前にある日突然現れる美女。いとも簡単に懇ろになるも、じつは彼女は人ではなくて……。そんなお話の数々を、柴田天馬の魔法のような翻訳で味わえる一冊です。とくに魅了されるのはそのルビ使い。様々な故事へ目配りのされたその技はかつての角川文庫版でもお馴染みですが、過剰なまでに原文を残したこの玄文社版こそがオリジナル。南條竹則による入魂の解説も必読です。優しく淫らな狐や鬼が次々と登場しますが、ぼくのお気に入りは、烏に変身して仲良く飛び回る「竹青」。非モテ男子の妄想のようなおとぎ話に、読むたび心癒やされます(笑)。主人公が梶芽衣子を彷彿とさせる「侠女」にもぞっこん!

宮地 健太郎/古書ほうろう

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