すべてに幻惑される――。連城ミステリへの最初の一歩。『連城三紀彦レジェンド 傑作ミステリー集』

『連城三紀彦レジェンド 傑作ミステリー集』(連城 三紀彦 綾辻 行人・伊坂 幸太郎・小野 不由美・米澤 穂信編講談社文庫/590円 + 税

すべてに幻惑される――。連城ミステリへの最初の一歩。

今年春の「不忍ブックストリートの一箱古本市」に出店した「竜蹄堂書店」が、ミステリ専門誌『幻影城』出身作家特集をやっていた。その中に、主要作しか読んでない連城三紀彦が大量に並んでいたので、店主さんに5冊選んでもらって買った。読みはじめたら長篇も短篇も素晴らしく、次々に読破中。本書は、現役のミステリ作家にして、年季の入った連城ファンである4人が選ぶ6篇を収録したアンソロジー。あの手この手の仕掛けと流麗な文体で、読者を幻惑の世界に遊ばせる作家のショーケースとも云える一冊。どの登場人物にも幸薄い感じがつきまとうのも特徴か。巻末の綾辻×伊坂対談にもうなずくところが多く、新米の連城ファンには最適の入門篇だ。

南陀楼綾繁/ライター・編集者・不忍ブックストリート代表

2年ぶりの新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)を出しました。各地のブックイベントや本の動きのレポート、書評、大学時代の回想記などを400ページ近くに詰め込んだ、私なりのバラエティブックになっています。どうぞご贔屓に。