文庫本は単なる「単行本の廉価版」ではない『文庫本を狙え!』

『文庫本を狙え!』(坪内 祐三ちくま文庫/950円 + 税

文庫本は単なる「単行本の廉価版」ではない

文庫本はあまり読まない。大概の読みたい本は、文庫になる前に単行本で読んでいるからだ。しかも近年は、そのサイクルが早い。以前は「文庫化まで3年」というのが慣例だったが、今ではわずか1年で文庫化されるものも。そんな中、坪内祐三氏が『週刊文春』で20年以上も連載を続ける「文庫本を狙え!」は、「え、こんな本があったの!」という「新刊文庫」ばかりを紹介している。本書は、その第1回(96年9月5日号)から第171回(2000年5月25日号)までをまとめたもの(続刊もあり)。目次を見ると、まるで坪内さん自身が、忘れ去られた名著の復刊を言祝いでいるかのようなラインナップ。文庫本は単なる「単行本の廉価版」ではない。

塚田 眞周博/つかだま書房・アーリーバード・ブックス・往来堂書店スタッフ

「つかだま書房」という出版社を始めました。第1弾は、内向の世代の小説家・後藤明生の語りをまとめた『アミダクジ式ゴトウメイセイ』の【対談篇】【座談篇】の2冊同時刊行です。電子書籍レーベル「アーリーバード・ブックス」による後藤作品の復刊も継続中です。