クラシックの「常識」を揺さぶる『聴衆の誕生 ポスト・モダン時代の音楽文化』

『聴衆の誕生 ポスト・モダン時代の音楽文化』(渡辺 裕中公文庫/857円 + 税

クラシックの「常識」を揺さぶる

私たちがクラシック音楽に持つイメージ―ポピュラー音楽と違って「高級」で、コンサートは静かに聴かなければならず、作曲家の精神性や歴史に対する理解が不可欠―は、いつ、どのようにして作られたのか。さらに、そうした「真面目」な態度の聴衆たちが、刹那的に音楽を消費する「軽やか」な聴衆に取って代わっていったのはなぜか。近代以降の西洋音楽史を、その聴取のされ方という観点から読み説き、硬直したクラシックの「常識」に揺さぶりをかける意欲作。商業化、差異化、「体験」への希求など、現代の大衆文化に通じるキーワードも多数。

藤田 一樹/ZINE『イモヅル』発行人

サツマイモと人と本をつなぐZINE『イモヅル』Vol.1・2発売中。次号Vol.3は2017年10月発売予定。Twitter @ship_fujita