ささやかで、切なく、愛おしい物語『最果てアーケード』

『最果てアーケード』(小川 洋子講談社文庫/500円 + 税

ささやかで、切なく、愛おしい物語

使い古しのレースの端切れ、義眼、使用済みの絵葉書、徽章……。「一体こんなもの、誰が買うの?」という品を扱う店ばかりが集う、世界で一番小さなアーケード。そのものを必要としているたった1人のお客さんがたどり着くまで待ち続ける品物と、その品物を扱う店主、その品物と巡り会ったお客さん、そして、アーケードの大家である少女、ひとりひとりの物語。心の奥の深いところに沈み込ませていたなものにふれるような、どこか懐かしく、どこか切なく愛おしい時が刻まれていきます。日常に流され、疲れた時、ふと立ち寄りたくなるアーケードがあります。本をひらくとそこが、最果てアーケードの入り口です。

とも吉/不忍ブックストリート

道草しながら、道端に落ちているボタンやガラスの破片をみつけては、ポケットにつっこむかわりにシャッターを押してます。秋に、白山の紅茶のおいしい喫茶店「喫茶おとら」で5回目の写真展をする予定です。