摩天楼と空地では都市はできない『街並みの美学』

『街並みの美学』(芦原 義信岩波現代文庫/1300円 + 税

摩天楼と空地では都市はできない

二年前に会社が大手町に移転。高層ビル群に囲まれた生活も、場所によって様相が大きく変わることに気づいて、俄然、建築に興味が湧いてきました。そんななか、出会った本書は、内と外の境界線から見た洋の東西の比較から始まり、気候と建築材の関係や、「インメディアシー」なる概念の提示などなど、実際の建築物を例に、実に様々な言葉や視点を伝えてくれました。そうして、色々な要素が幾層にも折り重なっていると知って眼前の高層ビル群を見直すと、なかなかどうして味わい深い。木の名前や埴生を知れば山登りが楽しくなるように、建築の意匠がわかれば街がもっと楽しくなる、そんな一冊です。(イスファハンのバザール、行ってみたいなあ!)

菅 龍典/中央公論新社 文芸局第二編集部

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