孤独っていうのが心の輪郭なんじゃないか『海の仙人』

『海の仙人』(絲山 秋子新潮文庫/400円 + 税

孤独っていうのが心の輪郭なんじゃないか

3億円の宝くじが当たったが、したいことは何もなく、会社を辞め、海の近くの敦賀に一人暮らす主人公の河野勝男(小学生の時、雷に当たったことがある)。ある日、神の親戚の中で一番できが悪く、こんこんと湯が湧きだすような笑い方をする「ファンタジー」が現れて――。部長というあだ名の腹が据わった恋人との、一定の距離ある関係。元同僚で、河野を思い続けてる、ちょっとガラの悪い片桐(この片桐の報われなさが堪えます)。でも片桐に対して常に思いやりを持ち、応援し続けてる気の良い男、澤田もいる。甘え下手な人、殻に閉じこもりがちな人、大人になって一人でどうしたものかねえとちょっぴり途方にくれてる人は読むと良いと思います。

鈴木 久仁子/朝日出版社 第二編集部

絲山秋子さんがラジオ「ゴゼンサマ」と『女性自身』で、私が(駄目生徒役として)担当した、加藤陽子さんの『戦争まで』を紹介くださって、すごく嬉しかったです。