“悪逆無道の悪将”と呼ばれた男の真の姿『宇喜多の捨て嫁』

『宇喜多の捨て嫁』(木下 昌輝文春文庫/740円 + 税

“悪逆無道の悪将”と呼ばれた男の真の姿

『敵の名は、宮本武蔵』、『天下一の軽口男』など、刊行を重ねる度に着実にファンを増やしている木下昌輝さんの、これがデビュー作です!備前の戦国武将、宇喜多直家は、毛利や織田にも恐れられるほど裏切りや謀略の限りを尽くします。実の娘さえも暗殺に利用し、いつしか娘たちは“捨て嫁”と呼ばれるようになりました。しかし“梟(きょう)雄(ゆう)”と呼ばれた直家の本当の姿を、直家の周りの人物や直家自身の視点を通して、木下さんはあぶりだしています。今作は舟橋聖一賞や歴史時代作家クラブ賞など5冠を達成しました。巻末には高校生直木賞の選考会の様子も抜粋されています。高校生たちが今作を選ぶまでの真摯な議論の様子もご覧ください。

五十畑 実紗(いそはたみさ)/文藝春秋『オール讀物』編集部

木下さんはその後「別冊文藝春秋」で、直家の息子・宇喜多秀家が秀吉の寵愛を受けながらも苦悩する姿を描いた『宇喜多の楽土』を連載されました。現在、単行本刊行に向けて作業中です。こちらもどうぞお楽しみに!